妊娠中の抗癲癇薬

てんかんの頻度は1%弱。

妊娠によって、てんかんの発作頻度は、

増加17.3%、減少15.9%、変化なし63.6%、(妊娠数1956)

(Observations from the EURAP epilepsy pregnancy registry: Neurology 2006; 66:354)

妊娠初期の発作によって、大奇形の発生、妊娠後半期には低酸素症による障害が報告されている。

(O'Brien MD, et al. Management of epilepsy in women. Postgrad. Med. J. 2005; 81;278-285)

大奇形は、第一三半期に抗癲癇薬の服用が無かった2/226(0.9%)、抗癲癇薬の服用があった28/682(4.1%)に見られた。

(Kaaja E, Kaaja R, Hiilesmaa V: Major malformations in offspring of women with epilepsy. Neurology 2003;60;575-579)


抗癲癇薬と大奇形 (979例のてんかん合併妊娠)

[1] それ以外の要因を調整したもの

[2] 多因子解析から得られたp値

→ 明らかに大奇形を作り出す要因として、葉酸の不足、Carbamazepine、Valproate、Oxcarbazepine が有意なものである。

バルプロ酸は葉酸に拮抗する。

バルプロ酸とサリドマイドは胎児が将来、自閉症を発症するリスクを上げる。


抗癲癇薬は必要か?

A. 2年間発作が無ければ、薬剤を止められるのではないか?

薬剤を中断した後、6ヶ月後、12ヶ月後の再発率は、12%と32%だった。

(Chadwick, D. The discontinuation of AED therapy. In: recent advances in epilepsy, Pedley, TA, Meldrum, BS (Eds), 1985;2;111.)

B. 最も適切な薬剤か?

C. 単剤にできないか?

D. 発作を起こさない最少量か?

妊娠中の定期的な血中濃度測定


てんかん合併女性への薬剤の変更(妊娠前)

1.できる限り単剤で、最少必要量にする。

2.トリメタジオン、メチルフェノバルビタールは中止。

3.バルプロ酸は他剤へ変更、もしくは徐放剤へ変更、もしくは3~4回に分割投与。

カルバマゼピンも他剤へ変更。

4.フェニトイン+バルビツール剤、

カルバマゼピン+バルビツール剤、

カルバマゼピン+バルプロ酸、の組み合わせで併用しない。

5.単剤の場合、プリミドンもしくはカルバマゼピン<400mg/day、バルプロ酸<600mg/day、フェニトイン<200mg/day にする。

(弘前大学、兼子直 先生の案)