<喘息>

発作時には麻黄剤、長期管理には柴胡剤が有効です。

多くの症例で吸入ステロイドを減量もしくは中止できます。

・軽症および中等症持続型の喘息患児に対して、RCTによって柴朴湯とトラニラスト(リザベン)投与群に割り振って

12週間投与したところ、4~6週後の時点でトラニラスト投与群は、投与開始前と比較して有意に発作点数を減少させた。

柴朴湯群では11~12週後には投与開始前と比較して有意に発作点数を減少させた。

投与4週間後における軽度改善以上は柴朴湯群よりトラニラスト投与群に多かったが、

投与8週間以降は逆転し、12週では柴朴湯群で95%、トラニラスト投与群で74%と有意に前者で有効率が高かった。

・別の症例集積研究では喘息患児に対する柴朴湯の有効率は73%であった。

キサンチン製剤やβ2作用薬の使用量は週数を経るに従って有意に減少した。

アセチルコリン吸入試験およびヒスタミン吸入試験は投与後12週の時点で有意に改善していた。

運動誘発試験も投与後12週の時点で有意に改善していた。

肺機能検査、血液生化学検査、鼻汁中好酸球数は投与前後で有意差は生じなかった。

・治療によるコントロール不良な中等症から重症持続型の喘息児に柴朴湯を投与したところ、

約半数で症状が改善した。

血清IgEは投与前後でやや低下する傾向は見られたが、有意差はなかった。

・乾性咳嗽を伴う成人気管支喘息患者に対して麦門冬湯は69%に有効であった。

・カプサイシン負荷による気道過敏試験において、麦門冬湯は喘息患者の76%に有意な咳域値の改善をさせた。

悪化例はなかった。

喘息発症1年未満例では有意に改善したが、5年以上経過例では改善傾向はあるものの有意な改善ではなかった。

麦門冬湯によって、喀痰中に好酸球が多い例では特に有意に域値が改善した。