<夜泣き、疳積、夜驚症、チック>

エビデンスとなる文献を発見できませんでしたが、筆者の経験上、有効性は高いと思われます。

・甘麦大棗湯が第一選択です。

醤油や製菓に甘味料として使われている甘草、小麦、ナツメグの3食品が原料で、

なぜこのような日常で使われている食品の組み合わせで夜泣きが減るのか不思議です。

・抑肝散、抑肝散加陳皮半夏が第二選択で、怒ったように泣き叫ぶ児に有効です。

育児に疲れてイライラしている母親にも飲んでもらうと更に効果が高くなることがあります。

・芍薬甘草湯は腹痛があるかのような突然激しい泣き方をする児に有効です。臍疝痛では第一選択です。

・夜驚症には、抑肝散や柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯が有効なことが多いです。

・チックは抑肝散が有効な場合がありますが、通常ハロペリドール(セレネース)やリスペリドン(リスパダール)やアリビブラゾール(エビリファイ)が有効です。

(投与例:体重20kgでリスパダール0.8mg=0.08g、エビリファイ1.5mg=細粒0.15g)

ブロムペリドール(インプロメン)とビペリデン(タスモリン)も有効です。

(投与例:体重20kgで、インプロメン1.5mg=細粒0.15g、タスモリン3mg=散0.3g等)

遺伝的素因が大きい疾患ですが、ストレスや緊張で悪化することから環境要因の調整も重要です。

固定化することがあるため、”様子を見る”というのは良い選択肢ではありません。