<便秘症>

大建中湯は便秘症だけではなく、術後イレウスの治療にも幅広く処方されています。

外科領域で頻用されるため日本では最も売り上げが多い漢方薬です。

またツムラがアメリカでの販売を目指して、数万人規模のDB-RCTを行っており、

近い将来、最も高いエビデンスを持った漢方薬となるでしょう。

しかし便秘症では時に難治性で大建中湯無効例に出会います。

また、人参(朝鮮人参)、乾姜(ショウガを干したもの)、山椒(ウナギに降りかけるあれです)の3剤のみから成り、

乾姜と山椒がピリッと辛いことが小児のコンプライアンスを悪くしています。

大建中湯の有効性の高さにもかかわらず、小児便秘症は易しいとは言えない分野です。

・症例集積研究では小児慢性便秘症に対する大建中湯の有効率は投与1週間後で69%、2週間後で79%でした。

2~8ヶ月間の大建中湯長期投与では治療を終了できた症例が約30%でした。

これは通常の緩下剤による治療で、治療を終了できた症例が10%以下であることと比較すると良い成績であり、

強制的に蠕動運動を亢進させる緩下剤使用時の腹痛といった副作用がないことが優位点です。


<小児慢性機能性便秘症 診療ガイドライン> が公開されています。ぜひ読んでみてください。

水分摂取と便通は関係しません。