<滲出性中耳炎>

・RCTによるカルボシステイン+クラリスロマイシン併用群と小青竜湯+越婢加朮湯併用群との比較試験

投与期間は共に1週間とした。

カルボシステイン+クラリスロマイシン併用群は、著効33%、中等度改善6%、軽度改善11%、無効50%、

小青竜湯+越婢加朮湯併用群は、著効54%、中等度改善21%、軽度改善4%、無効21%で

改善率は後者が有意に優れており、効果発現までの期間が有意に短かった。

・柴苓湯を4週間投与し、audiogramとtympanogramにて改善度を判定した。

audiogramで著明改善は、小児31%、成人22%、改善以上は小児で計46%、成人で計44%。

tympanogramでは改善以上は、小児34%、成人26%であった。

・367例に柴苓湯を4週間投与した症例集積研究。

外科的処置を必要としない滲出性中耳炎患者群に対しては70%の有効性、

外科的処置を施しても臨床効果や自覚症状が改善しない難治群に対しては56%の有効性、

滲出性中耳炎の診断基準を完全には満たさないが臨床的には滲出性中耳炎と考えてよい者と

耳管機能不全患者群に対しては合わせて40%の有効性だった。

柴苓湯エキスの量8.1g/dayと5.4g/dayの両群間で治療効果に有意差はなかった。

・柴苓湯、消炎剤(カルボシステイン他)、抗アレルギー剤(アゼラスチン他)、ステロイド(プレドニゾロン15~20mg/day漸減法)

を比較。投与期間はステロイドが1週間で、他は全て4週間投与した。

有効率はステロイド投与群が最も高く、次いで柴苓湯群46%、抗アレルギー剤群35%、消炎剤群24%の順だった。

聴力改善も同じ順位だったが、ステロイド群(13.4dB改善)が他(柴苓湯8.9dB~消炎剤6.8dB)を有意に上回っていた。