2021年7月末の東京の状況

以下の表は2021/07/30時点の都内23区のワクチン接種率です。

墨田区、中野区、台東区、板橋区、江東区は素晴らしく、墨田区民の4割が2回接種済みです。

23区の平均は28%辺りでしょうか。練馬区は約27%、13位と平均以下です。

残念ながら診療していても中野区との接種率の格差を感じることはあります。

悲惨なのは荒川区杉並区千代田区、江戸川区で20%に到達していません。

開業医は市場原理によって分散するため23区内であれば人口当たりの数に大きな差は無いでしょう。

区職員も同様にこの20年以上は優れた人材が集まっていると思います。

つまり大きな差は区長によってもたらされています。


日本全体では7月末で2回接種済みの人の割合は3割を少し超える程度です。

地方では行政機関のマンパワーが不足していますが、ワクチンが潤沢に入って来ます。(これは1票の格差が原因ですが、地方では高齢者が多く病院が少ないので仕方が無かったのでしょう。)

ワクチン懐疑者や軽視している若者や既感染者など一定数は打たない人がいるでしょうから、7〜8割辺りで上げ止まるでしょう。今が中間地点です。コロナウイルスのVirionが安定性を増す冬になる前にクラスターは起きにくくなるでしょう。

冬でも若者や半ワクチンの集団でクラスターは散発的に起こるでしょうから、マスクをする生活は1〜2年は続きそうです。

潜伏期が短いインフルエンザが100年前にパンデミックを起こしたときは2年かかって収束しました。

デルタ株では潜伏期が3.6日まで短縮しましたが、それでもインフルエンザより長く、1889〜1895年のロシア風邪は6年かかって収束しました。ワクチンという武器がある現代は18世紀より有利ですが、それでも収束は2022年以降になると思います。

しかしもっと大きな問題は政治家のITリテラシーの低さです。

ワクチン購入を中国に妨害されてきた台湾では主にIT技術によって感染を抑制してきました。

正直言って、無防備な生活では1名のCoVID-19患者が5名以上に感染させるというデルタ株の前では、一旦広がると台湾や中国でも押さえ込むのは難しいのではないかと思っていました。しかし台湾は見事に押さえ込んでいます。これには驚きました。

日本は戦争に負けたことによって、政府が個人を管理することに対して色々足枷があります。

これは尊重すべき事ですが、どうせ国税庁が全国民の個人情報を持っているのだから、政府がマイナンバーの個人情報を利用しても良いのではないかと思っています。

個人を識別できない個人情報のデータベースを使っていては感染状況の把握や、ワクチン接種の管理は困難です。

未だに厚労省とのデータのやり取りは、10桁の数字を打ち込むのに10個のセルを使っていたり、Macでは動かないマクロが仕込まれたExcelだったりします。しかも途中からそれを紙にプリントアウトして提出するようになりました。

普通、他の国ではWebフォームに入力させる方式です。

これができないのは官僚だけの責任では無く、個人情報保護法がデータベース利用を想定していない時代遅れのルールになっているからではないかと思います。

(2021/08/02 管理者記載)