これはあくまでデルタ株以前の話なので、デルタ株では再評価が必要になるはず。
屋外で2mの距離を取れば、感染リスクは殆ど無いことは2020年前半には既に指摘されていたが、都知事は都立公園の閉鎖に踏み切った愚かしい方針だった。
デルタ株に起き代わろうが、紫外線への安定性、温度や湿度に対する安定性、アルコールや酸塩基に対する安定性等の物理特性は変わらない。
変わったのはACE2受容体を介したAffinityだけである。しかし感染性という観点からは大きな変化なので、屋外に関しても再評価が必要である。
(2021/09/12 管理者記載)
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公園近辺でのCOVID-19の感染状況と公園利用者の数との間に明確な関連は見つからなかった。
同氏らが研究の対象としたのは、ニューヨーク市内7カ所、フィラデルフィア市内15カ所、計22カ所の都市公園。国勢調査の人口密度データに基づき、公園が所在する地域を人口密度「高」「中」「低」の3つに分類。かつ、米疾病対策センター(CDC)が公表している社会的脆弱性指数(Social Vulnerability Index;SVI)を基に、SVI「高」「低」の2つに分類。これら2種類の指標によって、22の公園を6種類のカテゴリーに分けた上で、公園の利用者数と公園近隣のCOVID-19感染者数との関連を検討した。
公園利用者数の調査は、2020年5~7月に実施された。この時期には多くの公園内で遊具の使用は禁止されていたが、敷地内への出入りは自由だった。
解析の結果、公園利用者数については公園間の差が大きいものの、人口密度が高い地域にある公園ほど、利用者数が多いという有意な関連が認められた。また、高SVI(社会的脆弱性の高い)地域ほど公園近隣のCOVID-19患者数が多いという有意な関連がみつかった(いずれもP<0.01)。公園の所在地が高SVI地域か低SVI地域かの違いによる、公園利用者数への影響は認められなかった。
公園利用者数と公園近隣のCOVID-19感染者数との間に、明確な関連は見られなかった。具体的には、利用者数の変化と新規感染者数の変化との間に有意な相関がないケースが多く、有意な相関が認められたケースについても、正相関する公園と逆相関する公園が混在していた。結論として、公園所在地の社会的脆弱性にかかわりなく、人口密度が高い地域では公園利用者が多く、利用者数が多いこととCOVID-19の感染拡大は関連がないと考えられた。
なお、今回の研究では、公園利用者の感染対策状況も調査され、人々が対策を講じた上で公園を利用している実態が浮かび上がった。例えば、マスクを着けずに利用している人の割合はニューヨークの公園で1.2%、フィラデルフィアの公園では22.7%(←!!)と少数であり、口を覆わずにせきをしたり唾を吐いたりする人は、ニューヨークの公園で0.9%、フィラデルフィアの公園で0.7%とわずかだった。また、公園内でコンタクトスポーツ(対戦相手と体が触れ合う競技)を頻繁に行っているのはニューヨークで12.9%、フィラデルフィアでは1.6%にとどまっていた。
これらの結果を総括してMontalto氏は、「パンデミック中の都市生活者の憩いの場として、公園が重要な役割を担い得ることを示している」と述べている。
Bita Alizadehtazi, Korin Tangtrakul, Sloane Woerdeman, Anna Gussenhoven, Nariman Mostafavi and Franco A. Montalto
Department of Civil, Architectural and Environmental Engineering, Drexel University, 3141 Chestnut Street, Philadelphia, PA 19104, USA
J Extreme Events, Vol. 7, No. 4 (2020) 2150008 (23 pages)
Published 21 April 2021
DOI: 10.1142/S2345737621500081
https://www.worldscientific.com/doi/pdf/10.1142/S2345737621500081