空間除菌は有害無益
結論から言うと、空間除菌は「有害無益」です。
そんなことをするなら、窓を開けて換気してください。
衣類は日光で干してください。
空気中のウイルスは無風でも3時間で失活します。
UVにも弱いので、風が吹いて、日光があればもっと早く失活します。
消毒薬は皮膚に着いても無害なものでも、吸引すると肺の組織にダメージを与えます。
次亜塩素酸は皮膚表皮にも、高濃度であれば有害です。
度々、外来で「空間除菌ってどうですか?」と質問されることがあります。
https://www.huffingtonpost.jp/namkoong-ihn/reckitt-benckiser-korea_b_9837074.html
よく韓国のこの事件を引き合いに出して、
「細胞壁を持っている細菌が殺されるなら、肺胞はもっとダメージを受けますよ。
もし肺にダメージがないなら、細菌は死なないと思います。
従ってお金の無駄です。手洗いの方がよほど有効です。」
と答えています。
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WHOの以下のPDFの2ページ目に明確に、
・除菌には次亜塩素酸は0.1ppmで良いこと、血液で汚染されたものは0.5ppmで除菌できること、
・屋内で散布してはいけないこと(あくまで塗布するべき)
・路上の散布には意味がないこと
などが書かれています。
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以下は、富山大学の先生が書いた記事、消費者庁のサイトの内容です。
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/vetrdi/3/1/3_1/_pdf
塩素の気中許容濃度は 0.5ppm : 1.5mg/m3(最大許 容濃度)である。
東京消防庁の危険物データブック によると、塩素による曝露濃度と症状の関係は以下 のとおりである。
0.1~0.2ppm:臭気を感じる。
0.2~3.5ppm:臭いを感じるが耐性が生じる。
1ppm:かなり刺激臭が強くなる。
3~6ppm:目、鼻、喉に刺激、頭痛を来たす。
14~21ppm:0.5~1時間暴露すると生命が危険に なる。
40~60ppm:短時間で生命が危険になる。
100ppm:1分間以上耐えられない。
430ppm:30分以上で致命的となる。
900ppm:即死する。
強い刺激臭を感じるときには既に許容濃度を越えていることに注意すべきである。
また、嗅覚には個人差があるので、臭いを感じたときの塩素濃度は上記よりも高いこともあるので、注意を要する。
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http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20130430_1.html
首から下げるタイプの除菌用品で、次亜塩素酸ナトリウムを含むとの表示がある「ウイルスプロテクター」という商品により、化学熱傷を起こす事故が発生していることから、2013年2月18日、消費者庁より使用を中止する呼びかけがあり、事業者が自主回収を行うことになりました。
それ以降、PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、この商品によって何らかの危害を受けたという相談が多く寄せられていますが、同様に首から下げるタイプで、二酸化塩素等による除菌効果をうたった商品についても、「ストラップ付除菌用品を1歳半の娘にかけていたところ、胸が長方形の名札の形に赤くなっていることに気付き、病院で化学やけどと診断された。」、「報道で首から下げる除菌剤について注意喚起をしていた。類似品を持っているが安全性を知りたい。」といった相談が寄せられています。
このようなことから、二酸化塩素等による除菌効果をうたった首から下げるタイプの商品6銘柄と、参考品として、成分に次亜塩素酸ナトリウムを含むとの表示のある2銘柄の計8銘柄について、皮膚への刺激性を中心に調べ、消費者に情報提供することとしました。
主なテスト結果等
皮膚への刺激性(皮膚一次刺激性試験)
二酸化塩素による除菌をうたった6銘柄中3銘柄で、「中等度の刺激性」と評価されました。自主回収となった銘柄は「強い刺激性」と評価されました。
放散速度の経時変化
皮膚への刺激性が強かった銘柄ほど、塩素系物質の放散速度も大きい傾向がみられました。
放散成分による水分のpH変化
放散された成分が水分に溶け込むと酸性になる銘柄があり、放散速度が大きいものほど酸性が強くなりました。
放散成分による繊維製品の退色
放散速度が大きい銘柄で、繊維製品の退色がみられました。
表示
(1)安全性に関する表示
化学やけど等の皮膚障害に関連すると考えられる注意事項は、「ウイルスプロテクター」の代替品以外の銘柄にはありませんでした。また、「人体に安心」等とうたった銘柄があり、消費者が商品の安全性を過信するおそれがありました。
(2)有効性に関する表示
有効性をうたう表示の中に、1銘柄で薬事法に抵触するおそれのある記述がみられました。
消費者へのアドバイス
首から下げるタイプの除菌用品の中には、使い方によっては化学やけど等のおそれのあるものがありました。使用には注意しましょう。
業界・事業者への要望
首から下げるタイプの除菌用品の中には、使い方によっては化学やけど等のおそれのあるものがありました。消費者が安全かつ有効に使えるよう商品の改善を要望します。
皮膚への刺激が確認された銘柄でも、直接肌に触れないように等の注意表示のないものがありました。消費者に十分に周知がなされるよう商品への注意表示を要望します。
一部事業者のホームページに薬事法に抵触するおそれのある記述がみられました。商品について適正な表示や広告をするよう要望します。
行政への要望
首から下げるタイプの除菌用品の中には、使い方によっては化学やけど等のおそれのあるものがありました。消費者が安全に使えるよう、商品の改善をするよう事業者等への指導を要望します。
皮膚への刺激が確認された銘柄でも、直接肌に触れないように等の注意表示のないものがありました。消費者に十分に周知がなされるよう、商品の注意表示をするよう事業者等への指導を要望します。
一部事業者のホームページに薬事法に抵触するおそれのある記述がみられました。商品について適正な表示や広告をするよう事業者への指導を要望します。
要望先
消費者庁 消費者安全課
厚生労働省 医薬食品局 監視指導・麻薬対策課
厚生労働省 医薬食品局 審査管理課 化学物質安全対策室
一般社団法人日本二酸化塩素工業会
情報提供先
消費者委員会事務局
日本チェーンストア協会
日本チェーンドラッグストア協会
公益社団法人日本通信販売協会
業界の意見 ※2013年5月29日 追加
「エンブロイ株式会社」より
弊社といたしましては、テスト内容、方法等、適正であり、商品選択において、大きく役立つ結果であると存じます。ただ、思った以上に一般の方々には分かりづらい様で、危険な商品のテストのように誤解されてしまったのが残念でした。
事故防止が最重要事項ですので、消費者が注意喚起して慎重に選択・使用してくれる事を願います。その為には、メディアがもう少し内容を理解して、分かり易く消費者の方々へ情報を伝える事が必要ではと感じました。弊社もその努力を、今後してまいります。
「大木製薬株式会社」より
今回の試験結果より、当社製品『ウイルオフ バリア』(報道発表資料銘柄名No.4)に対しての指摘事項はございませんでした。
また、今後の取り組みと致しまして、関係省庁のご指導を仰ぎながら、より安全・安心な製品作りを目指してまいります。
「株式会社ザッピィ」
「株式会社ザッピィ」より
弊社はこの度の発表による改善のご要望につきましては真摯に受け止め、弊社製品をお客様がより安全にご使用頂ける情報のご提供と表示に努める所存で御座いますが、貴センターより発表後の弊社への問合せで多い点「皮膚の刺激性」について実施された24時間を採用された理由を具体的にお教え下さい。
今回実施されたテストは、当該商品の取扱について一般に認識が浅く事故を未然に防ぐためにご使用の注意喚起をより安全に使用頂けるよう改善し、より多くの使用状況を想定した製品表示や情報を提供する事であって、弊社製品を否定するものではないと言う認識で良いでしょうか。
「株式会社ザッピィ」への商品テスト部の見解
化学物質の「皮膚一次刺激性試験」には、4時間接触させる方法と、化粧品等で長時間肌に付着させることがあるものについて、24時間接触させる方法とがあります。
今回のテストを行う契機となった「ウイルスプロテクター」という商品による化学熱傷の事故が、ポケットに入れていた、首にかけたまま寝てしまった等、長時間、身体に密着させることでも起きていましたので、より高い安全性を確認するため、24時間の接触時間を採用しました。今回、「中等度の刺激性」があると評価された銘柄については、特に肌への接触における安全性に配慮して、商品と表示の改善に取り組んでいただきたいと考えています。
また、今回のテストは、皮膚への刺激性を中心に安全性を調べたものですが、このような商品を製造・販売する事業者においては、吸入等その他の安全性も考慮し、消費者が安全で有効に使える商品作りをしていただくよう望みます。
業界の対応 ※2013年5月29日 追加
「エンブロイ株式会社」より
使用上の注意を全商品に付け、誤った使用方法で利用されない様工夫します。
はっ水加工の不織布の導入を進め、水分による影響を受けにくくしていきます。
「株式会社ザッピィ」より
弊社ホームページスタッフブログにての薬事法に抵触のおそれのある表現につきましては、不適切でありましたので該当部分を削除致しました。
製品の表示につきましては、ホームページ・製品「使用上のご注意」の中で、御指摘のあった項目を含めまして改善致します。
「皮膚刺激性」の改善につきましても使用部材等により安全にお使い頂ける素材の採用など改善に努めて参ります。
「一般社団法人 日本二酸化塩素工業会」より
この度、独立行政法人 国民生活センターの安全性調査結果より、二酸化塩素等による首から下げるタイプの除菌製品についても危害事例が数件寄せられていることを重く受け止め、当工業会は製品安全性について、以下のことをお約束させて頂きます。
消費者が安全かつ有効に使える商品を提供するべく、研究開発・商品改善にさらなる注力を致します。
当工業会において消費者に安全性を過信させるおそれがある表記を行っていた企業については速やかに表記を改めるよう指導致します。
二酸化塩素製品の正しい普及を目指すため、会員企業ではない企業にも、正しい表記を行うよう注意喚起や助言を致します。
また、私ども一般社団法人 日本二酸化塩素工業会は二酸化塩素製品の正しい普及、品質の向上及び製品技術等の進歩改善を図るとともに業界の健全な発展を目指し、厚生労働省、経済産業省、消費者庁、国民生活センターのご指導を仰ぎながら『安心かつ快適な生活空間を創る』という環境関連の市場構築を目指しております。
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
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