ヒジキ
海草の中でヒジキだけは無機ヒ素が多く含まれることはあまり知られていないように思います。
妊娠期間中で無ければ大した問題にはなりませんが、妊娠期間中は多く摂りすぎないように気を付けた方が良いかも知れません。
他の海草は問題なく、代用品がある訳ですから。
ヒジキ中のヒ素に関するQ&A
Q.1
ヒジキについて、英国が発表した内容はどのようなものですか。
A.1
英国食品規格庁(Food Standards Agency、FSA)は、7月28日にヒジキを食べないように英国民に対して勧告を出しました。その理由は、FSAの調査で、ヒジキに発ガンリスクの指 摘されている無機ヒ素が多く含有しているとの結果が得られたためとしています。
Q.2
ヒジキを食べることで、健康上のリスク(危険性)は高まりますか。
A.2
平成14年度の国民栄養調査によれば、日本人の 一日あたりの海藻摂取量は、14.6gですが、これは、海苔や昆布といった他の海藻類を含んだ量です。海藻類の国内生産量、輸入量及び輸出量から、海藻類 のうちのヒジキの占める割合を試算したところ、6.1%であり、摂取量の割合もこれと大きな差はないと推定すれば、ヒジキの一日あたりの摂取量は約 0.9gとなります。
一方、WHOが1988年に定めた無機ヒ素のPTWI(暫定的耐容週間摂取量)は15μg/kg体重/週であり、体重50kgの人の場合、107μg /人/日(750μg/人/週)に相当します。FSAが調査した乾燥品を水戻ししたヒジキ中の無機ヒ素濃度は最大で22.7mg/kgでしたが、仮にこの ヒジキを摂食するとしても、毎日4.7g(一週間当たり33g)以上を継続的に摂取しない限り、ヒ素のPTWIを超えることはありません。
海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報告はありません。
また、ヒジキは食物繊維を豊富に含み、必須ミネラルも含んでいます。
以上から、ヒジキを極端に多く摂取するのではなく、バランスのよい食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはないと思われます。
Q.3
ヒジキ以外にヒ素を含む食品はありますか。
A.3
ヒ素は自然界に存在するため、他の海藻中にも含まれていますが、ヒジキとは異なり、毒性の低い有機ヒ素として存在しているとされています。
Q.4
ヒジキ中ヒ素の国際的な基準はありますか。
A.4
現在、ヒジキ中ヒ素に関する国際的な基準は設定されていません。
Q.5
今後、厚生労働省ではどのような対応をとりますか。
A.5
食品安全委員会、農林水産省など関係府省と連携し、国際的な状況も踏まえた上で、必要な対応をとっていきたいと考えております。
平成16年7月30日
照会先:厚生労働省医薬食品局食品安全部 監視安全課
課長:南
担当:渕岡、土井